言霊による魔力増幅法で次に大切なのが「いただきます」です。
前回の「ありがとうございます」に続き、身近な言葉過ぎて普段はあまり意識していない人も多いと思います。
魔術師というと誰も知らないような長い魔法を唱えて非現実的なことを成し遂げるというイメージがあるかもしれませんが、日本人の伝統的生活(=神道の考え方)は非常によく出来ていて、普通に生活するだけで邪気が払われ、魔力が蓄積するように日常的に使う言葉に魔力が込められています。
とはいえ、その中身を知っているのと知らないのとでは効果は段違いですし、再三お伝えしている通りイメージングが全てと言っても過言ではないのでしっかりとイメージングを伴って言葉を発することが大切です。
「いただきます」は食事の最初に言う言葉です。
魔力向上において食事そのものも非常に大切な役割を持っており、それについては別項目でしっかりと説明する予定ですが、そもそもその食事に至る前に唱えるのが「いただきます」です。
日本人は自分のことを無宗教であると考えている人が多いですが、外国の人からすればほとんどの日本人が食事の際にきちんと手を合わせて「いただきます」ということ自体が驚きなのだそうです。
キリスト教でも食前の祈りなどがありますが日本の「いただきます」はそれ以上に深い意味があると言っていいと思います。
少し前に学校で給食を食べる際に「お金を払っているんだからいただきますを言う必要はないのでうちの子にいただきますを強制しないでくれ」と言ってきた親がいたそうですが、根本的に「いただきます」の意味を分かっていません。
「いただきます」は料理をしてくれた人に対してだけ言っているわけではなく、それを育ててくれた人に対してでもあるし、それを運んでくれた人に対してでもあるし、食材として命をささげてくれた動植物に対してでもあるし、その命を育んだ自然そのものに対して感謝の気持ちを込めてこの食事を「いただきます」と唱えるのです。
そのためお金を払ったから言わなくていいという発想自体が的外れですが、魔力的な観点から見てもせっかく魔力を高める機会を放棄するのはもったいない以外の何物でもないと言えます。
その一膳の食事を提供するためにどれだけの人間が関わっているのかを想像し、その奇跡に対して感謝をささげるのです。
これもイメージングの一種であるからどこまでイメージできるかでいただける魔力の量が変わってくることになります。そのため出来るだけ詳細にイメージすることが大切です。
食事を前に落ち着いて、両手を合わせます。
先ほどのイメージをしながら出来るだけ多くの対象に感謝の気持ちを持ちながら「いただきます」と声に出して唱えます。
食事そのものもありがたく、味わって食べましょう。
やることは以上ですがしっかりと合掌する、イメージをしながら唱えることで食事から得られる魔力はけた違いに増えることになります。
食事は毎日のことなのでこれをやるのとやらないのとでは相当量の差になるのでおろそかにしないでください。
また「いただきます」には元になった和歌があり、余裕があるのならそれを唱えるようにしてください。
たなつもの 百の木草も 天照す 日の大神の 恵み得てこそ
(たなつもの もものきぐさも あまてらす ひのおおかみの めぐみえてこそ)
大意→あらゆる食べ物(種や草木)は天照大神様(大自然)の恵みがあってこそ得られるものである。
別の機会があれば少し説明しますが和歌にも一定の魔力が込められているものが多数あります。これもその一つであるので魔術師を目指すのであれば習得することをおすすめします。